こんにちは!埼玉県県民の森です。
朝晩はまだ少し肌寒さが残る標高約900メートルの園内ですが、足元にはやさしい春の花が次々と開き、気づけば森全体がふんわりと色づいてきました。今日は、林床にひっそりと咲くイカリソウ、道路沿いに春の光を集めて咲くスイセン、そして園内で進めているベンチの磨き上げ・再塗装の様子を、まとめてお届けします。

錨のかたちが愛らしい「イカリソウ」が開花しました
落ち葉の積もる林床から、ふわりと浮かび上がるように咲き始めたのはイカリソウ(碇草・錨草)です。細い花柄の先に、4本の長い距(きょ)をピンと伸ばした花が下向きに連なり、その姿はまさに船の「錨(いかり)」そのもの。和名の由来も、この特徴的な花姿からきています。
園内のイカリソウは、淡いピンクから少し濃いめのピンクまで、株ごとに少しずつ表情が違っていて、見比べてみるのも楽しいところ。落ち葉の茶色、苔の緑、そして花のピンクが重なり合って、林床がまるで小さな絵画のような景色になっています。
花言葉は「旅立ち」「君を離さない」
イカリソウの花言葉には、「旅立ち」「新たな人生」「君を離さない」「あなたを掴まえる」など、少しドラマチックな言葉が並びます。
- 「旅立ち」「新たな人生」……静かな冬の林床から、すっと立ち上がって花を開く姿が、新生活の門出を連想させると言われています。
- 「君を離さない」「あなたを掴まえる」……錨が船をしっかりと留めるように、大切な人やご縁をつなぎとめる、というイメージから生まれた花言葉だそう。
新しい季節のはじまりに、ぴったりの花ですね🌿 秩父多摩甲斐国立公園エリアでは特別地域指定植物として保護・繁殖の対象にもなっている、地域にとって大切な山野草です。出会えたときは、足元の小さな宝物にそっと目をとめてあげてください。
春の光を集めて咲く「スイセン」も見頃です
園内の園路沿いでは、スイセンが今を盛りと咲いています。 白い花弁の中央に、やわらかな黄色〜オレンジの副花冠(カップ)を覗かせる姿は、まさに「春の光を集めたランプ」のよう。日が差し込むと、花のまわりがふわっと明るく見えて、思わず立ち止まってしまう美しさです。
里では春先に咲き終わってしまうスイセンも、標高約900メートルの県民の森では、少しゆっくりと見頃を迎えます。「街では桜が散り始めたのに、ここではまだスイセンが楽しめる」──これが県民の森ならではの春の楽しみ方です。

花言葉と、ナルキッソスの神話
スイセンの代表的な花言葉は、「自己愛」「うぬぼれ」「神秘」。これは、ギリシャ神話に登場する美しい青年ナルキッソスの物語に由来しています。水面に映った自分の姿に恋をしてしまった彼が、ついには一輪の花になったという伝説。少しうつむき加減に咲くスイセンの姿が、その物語と重ねられたと言われています。
また、品種によっては「尊敬」「詩人の心」「すてきな装い」など、もっとやさしい花言葉も。神話の背景を知ったうえで眺めると、見慣れたスイセンの表情が少し違って見えてくるかもしれません。
ベンチの磨き上げと再塗装を進めています
開花情報とあわせて、園内整備のご報告です。 県民の森では、園内に設置されているベンチの磨き上げと再塗装を、少しずつ進めています。
長年、雨風と日差しにさらされてきたベンチは、表面が乾いて色がくすみ、木目もぼんやりとしてきていました。これを丁寧にサンディング(やすりがけ)して整え、保護塗料を塗り直すと──木目が再びくっきりと浮かび上がり、つやのある飴色のベンチがよみがえります✨ 今回ご紹介する写真は、まさにBefore(くすんだ状態)とAfter(再塗装後)の比較。木のあたたかみが戻ってきた様子を、ぜひ見比べてみてください。


園内にはまだまだベンチがたくさんありますので、すべての作業が一度に完了するわけではありません。通行の多い場所から順に、全体に対応していく予定です。 ハイキングや散策の途中で「あ、ここのベンチきれいになってる!」という小さな発見があったら、私たちもとてもうれしいです。 来園者の皆さまが安心して腰かけ、森の景色や音をゆったりと味わえるよう、これからも一つひとつ丁寧に手を入れていきます。
春の県民の森を歩くときのおすすめ
- 林床のイカリソウは小さく目立たない花なので、足元にゆっくりと視線を落としながら歩くと出会いやすいです。
- スイセンは日が高く昇る時間帯が、花の表情がいちばん明るく見えてきれいです。
- 標高約900メートルの森は、平地より少しひんやり。羽織れる上着を一枚お持ちいただくと安心です。
- 園内の水道水は水質検査の状況により飲用に適さない場合がありますので、お飲み物はご持参ください。
里より少し遅れてやってくる、県民の森の春。 新しくなったベンチに腰かけて、森の風や鳥のさえずりに耳を澄ませる、そんな時間を過ごしにいらしてくださいね🌸






