こんにちは!埼玉県県民の森です。
ずいぶんと間が空いてしまいましたが、その間も園内ではスタッフが日々せっせと手を動かし、たくさんの花が静かに咲き始めていました。今日は久しぶりの更新として、最近の園内の様子と、いま出会える花たちをまとめてご紹介します。
「来る度に綺麗になっているね」のお声、励みになっています
最近、来園された方から「来る度に綺麗になっているね」とうれしいお言葉をいただく機会が増えてきました。写真は、学習室入り口の床をブラシでていねいに磨いているところです。広場の芝生や遊歩道だけでなく、こうした目立たない場所のお手入れも、気持ちよく過ごしていただくための大切な仕事だと思っています。
お声をかけていただけると、何倍も力が湧いてきます。これからも、来るたびに「少しずつよくなっているな」と感じていただける場所を目指して、こつこつ整えてまいります。
広場の白い花の木は「ヤマボウシ」です
広々とした芝生の中で、白い花をいっぱいにまとった一本の木が目を引きます。これはヤマボウシです。
じつは、白い花びらのように見える部分は「総苞(そうほう)」と呼ばれる葉が変化したもので、その中心にある丸い部分が本当の花なのだそうです。葉が開いてから花を咲かせるのがヤマボウシの特徴で、緑の葉と白い花のコントラストがとてもさわやかです。
名前の由来も味わい深く、中央の丸い花を僧侶(山法師)の頭に、四枚の白い総苞片を白い頭巾に見立て、比叡山延暦寺の山法師になぞらえてつけられたといわれています。中国では、樹いっぱいに白い花が咲いた姿が四方を照らすように美しいことから「四照花」とも呼ばれるそうです。
花言葉は「友情」。近縁のハナミズキの「返礼」という花言葉から連想してつけられたともいわれており、こわい意味のない、おだやかであたたかな花言葉です。芝生に立つこの木の下で、大切な人とゆっくり過ごしていただけたらうれしいです。

うつむいて咲く愛らしい「オダマキ」
足もとで、赤と黄色のやさしい色合いの花がうつむくように咲いていました。オダマキです。
「オダマキ(苧環)」という名前は、機織りのときに糸を巻きつけた「苧(麻)の輪」の形に、花のうしろの突起(距)が似ていることに由来しています。ラテン語の学名「Aquilegia」は「aquila(ワシ)」から来ていて、距がワシの爪のように曲がる形にちなむのだとか。和と洋、どちらの名前も花の形をよく見て付けられているのがおもしろいですね。
花言葉は「勝利」。ヨーロッパでは、葉を手にこすると勇気が湧くと信じられ、お守りのように扱われた言い伝えがあるそうです。うつむき加減のひかえめな姿に、そんな力強い物語が秘められていると思うと、また違って見えてきます。

寄り添って咲く「フタリシズカ」
すっと伸びた茎の先に、白い花の穂がふた筋ならんで立つ姿が見られました。フタリシズカです。
名前は、源義経の愛妾・静御前の霊がもう一人の静御前と舞う能「二人静」にちなみます。二本の花穂が寄り添うように立つ様子を、二人の静御前が舞う姿に重ねたのですね。
花言葉は「いつまでも一緒に」。寄り添って咲く姿そのままの、しっとりとした花言葉です。よく似た仲間に、花穂が一本の「ヒトリシズカ」もあります。ひとりから、ふたりへ。名前を知ってから眺めると、小さな花にも物語が広がります。

山あいで静かに咲く「ヤマアジサイ」
これからの季節を彩ってくれるヤマアジサイも、白い小さなつぼみをふくらませ始めていました。
ヤマアジサイは、山地の沢沿いや半日陰に自生する在来種で、お庭でよく見る西洋アジサイより小ぶりで繊細な姿をしています。花言葉は「乙女の愛」「切実な愛」。雨に濡れながらも山道のわきで静かに咲く一途な姿に由来するといわれます。アジサイの仲間には「家族」「和気藹々」という花言葉もあり、ぎゅっと寄り集まって咲く様子から、結びつきの強さを感じさせてくれます。これから少しずつ色づいていくのが楽しみです。

山の小さな白い花「モミジイチゴ」
山道のわきで、下向きの小さな白い花がそっと咲いていました。モミジイチゴです。
名前は、葉がカエデの仲間のように浅く裂けて「モミジ」に似ていることと、熟すと黄橙色の実をつける「イチゴ」にちなんでいます。雑木林の縁などに自生し、春にひかえめな白い花を咲かせたあと、初夏には甘い実をつけてくれます。山歩きの途中で見つける黄色い実は、まるで山からのおやつのようですね。
花言葉は「いつも愉快」「愛情」。山で見つける実の楽しさや、子どものころのわくわくした記憶に重なるような、明るい花言葉です。いっぽうで「嫉妬」「後悔」といった少し切ない花言葉もあり、これはうつむき加減に咲く控えめな花姿を、人の複雑な気持ちになぞらえたものだといわれています。小さな花ひとつに、明るさと切なさの両方が宿っているのがおもしろいところです。
標高約900メートルだから、いまが見ごろ
県民の森は標高が高いため、平地に比べて花の時期が一ヶ月ほどゆっくり進みます。街なかでは見ごろを過ぎてしまった花も、ここではちょうど今から楽しめることがあります。涼やかな空気の中で、ひとつひとつの花とゆっくり向き合う時間は、ここならではの過ごし方だと思います。
久しぶりの更新となりましたが、これからは園内の花や野鳥、整備の様子などをこまめにお届けしていきたいと思っています。ぜひ、すがすがしい森へ遊びにいらしてください。スタッフ一同、心よりお待ちしております。






